【最後のプレゼント🌸】~グリーフケア~

Life

 枝にいぱっいの花を咲かせ風に揺れる桜が満開になり、学校の前で親子が記念撮影をし微笑ましい光景が毎年春の訪れを感じますが、あっという間に瑞々しい若葉の緑色に木々が変化しましたね。

 私事ですが”退院したら桜を見に行こう”と約束していた母が二月下旬に永眠しました。いつも通りの日常を過ごし現実と記憶を行き来し心を眺めている感覚の中、私の手元に戻ってきた母への最後のプレゼントである塗り絵(作画・ぬりえ 今井未知さんの 花言葉・花図鑑)を私が塗ってみようと思います。

 この塗り絵は、母が入院中80歳を迎える誕生日に、私からリハビリを兼ねて花が好きな母にプレゼントしたものでした。母は入院生活が退屈になっており、この一冊を手に取ると体力の落ちた表情が生き生きとし目を凝らしてページをめくりとても喜び、色鉛筆の蓋を開けといて欲しいと頼むのでテーブルに開けて置いておきました。

 その後母が塗り絵の花に色を塗ることはできなかったと思っていましたが、今回改めてページを開いたときアガパンサスの花びらに二色の色をぬった後がありました。力が入りにくい手で塗ったことがわかり切ない気持ちと嬉しくもありました。

 母は最期に見舞いで会ったとき“退院してからの楽しみ”にと言っていたので気持ちは前向きに希望をもっている様子でした。私に気を使ってくれたのかもしれません…そんな母が楽しみにとっておいた塗り絵を私自身のグリーフケアに始めることにしました。(グリーフケアとは、大切な人を失ったときに生じる悲しみなどの感情を肯定できるようにすることです。)

 幼いころは体力がなく虚弱体質の私や家族にたくさんの愛情を注いでくれた母、いつも後ろを振り返ると見守ってくれていた母に心からのありがとうをこめて、塗り絵を楽しみ日々の小さな喜びを味わいながら、人生後半のステージを眺めようと思います。

 最後までお読みいただきありがとうございます。

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